はじめまして。デンマークに住む香苗と申します。
この度ご縁あって、遥々我が家にもおたまちゃんが来てくれることになり、こうして「デンマークってどんなとこよ?」レポートを書かせていただく機会をいただきました。
日本で看護師として働いて4年、その後デンマークに移り住み、看護師として働いて気が付けば16年。どうりで最近、白髪が目立つようになったはずです…。
そんな在デン16年の私的視点でですが、ほっこり面白いデンマークについて、少しずつご紹介していきたいと思います。
「デンマークってどこ」
みなさんはデンマークと聞いて何を思い浮かべられるでしょうか?アンデルセン童話、レゴブロック、豚肉、北欧デザイン?名前はよく聞くけど、そもそもどこにあるのかよくわからない国、と思う方も多いのではないでしょうか。ちなみに私の母は、デンマーク訪問3回を経て、ようやく「で、ノルウェーは天気どうよ?」とか聞かなくなりました。
デンマークはドイツの上にひょろりと伸びるユトランド半島と、いくつかの島で構成されています。世界最大の島(オーストラリアは地理学的には大陸というくくりなので、島ではない)であるグリーンランド、北大西洋に浮かぶフェロー諸島もデンマーク領となっており、私の働いていたデンマーク最大の医療機関である王立病院には、高度医療を必要とする島の患者さん達がヘリコプターや飛行機で飛んできます。
女王の住むアメリエンボー宮殿
「北欧のスネ夫」
バイキング全盛時代にはスカンジナビア半島のみでなく、アイスランド、グリーンランド、イギリスなどにも勢力を広めていたデンマーク。一時は北欧のジャイアンとして、「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」と、横暴無尽に振る舞っていたものですが、永遠のライバル、スウェーデンとの度重なる戦いで南スウェーデンにある領土を失い、ノルウェーやアイスランドの独立、世界大戦後ドイツとの国境地域も失うなど、時代とともにジャイアンの勢力は縮小する一方。最終的に、グリーンランドとフェロー諸島を除いた純粋なデンマークの範囲は、日本の九州と同じくらいの大きさとなり、ここ数年EUの中でもパワーのある隣国ドイツがジャイアンの座をとって代わったため、デンマークはスネ夫な位置付けに。ちなみに私のイメージでは、お洒落な優等生のスウェーデンはできすぎ君です(ポリティカルコレクトネスが強いところがたまにきず)。
そんな盛者必衰のデンマークの人々は、いまだに南スウェーデン地方を「あそこは本当はデンマークのものだ」とか、1992年にデンマークが唯一優勝したサッカー欧州杯をまるで昨年のことだったかのように、うっとりとした目で語り続けており、スポーツの試合でスウェーデンと対戦するときには、積年の恨みを晴すといった情熱で、とても感情のこもった観戦をしております。
さて、ザクッとスタートしたデンマーク便りですが、次回はデンマーク人のヒュゲについて、ご紹介します。